パキスタンカラコルム大展望ツアー
9月1日から15日まで、昔の山の同期3人で「ナンガパルバット北面/南面&カラコルム大展望ハイキング」と言うツアーに参加しました。日頃地上では忙しく走り回っておりますが、なんとトレーニングもなく、ナンガパルパッドがヒマラヤ山脈のもっとも西にそびえ立つ世界第9位の高峰、体積は世界1位であることも知らずこのツアーに参加しました。ハイキングとは名ばかり!れっきとしたトレッキングでした。
パキスタン航空でイスラマバードへ。成田―北京3時間35分、北京〔機内待機〕1時間10分、北京―イスラマバード6時間30分。
〔奇蹟1〕遅れるのがほとんど常識のパキスタン航空らしいのですがほぼ時間通りに到着。翌朝4時半起床、5時インターナショナル空港へ。
2日目: 〔奇蹟2〕天候の不安から飛ぶ確率の少ない山岳フライトが飛び、北部山岳地帯の中心地ギルギットへ。
ギルギットのホテルでパキスタン料理、インドカリーに近いお料理で、チャイもおいしく先を知らず余裕!
パキスタンの宗教はイスラム教です。ホテルにはメッカの方向が示されています。一日5回のお祈りをする方向です。現地ガイドのAliさんからイスラム教の宗派が今77あるそうです。大きくはスンニ派70%、シーア派19%、イスマリア派1%、彼はIS、タリバンはイスラム教徒ではないと断言しておりました 。
今日の日は神に「生贄」をささげる日で、あちこちで羊の肉を切り刻んでおり、すべてのお店が閉まっておりました。
3日目:ジープで世界3代悪路の一つと言われている、ジープの幅くらいしかないゴロゴロの道を今にも外に放り出されるほどの激しい1時間半。インダス川東岸奥地フェアリーポイント2666mへ。北面ハイキング3300m地点へ。「北面ハイキング」と書いてありましたが・・・私にとってはハイキングなんて簡単なものではなく、皆に遅れてようやくフェアリー・メドウへ。
〔奇蹟3〕ナンガパルパッドの北面が雲一つない全景が見えました。ガイドさんもこれは10回に1度見れるか見れないかの景色だそうです。(トップの写真)
4日目:今日は南面のナンガパルパッドを見に行く日です。私はこれ以上メンバーに迷惑をかけれないと悟り、ロバを使うことに決めました。ロバの乗り心地は決して楽なものではございません。小さな木の鞍?に乗りガタゴト道を不安定に揺られながら・・・いまだに尾てい骨が痛みドーナッツクッションを買いました。
5日目:世界1の体積のナンガパルパッド!南面に行くにもジープとロバで一日かかり!3550mのヘルリヒコッファーベースキャンプへ! 途中寄ったレストラン!ここのお料理が一番おいしかったです。このポットはチキンカレーが入っていたのですが200年前から使われているポットだそうです。このパイは牛肉のミンチが入っていて、店主はとても進めてくれたのですがおなかがいっぱいで誰も食べれなかったのです…残念です。
〔奇蹟4〕ナンガパルパッドの南面、前に広がる氷河、圧巻です。雲一つないこの光景も「奇蹟」とガイドさんは騒いでおりました!!!
6日目:テント泊 高山病になり始めました。”高山病”がこんなにつらいとは!!!胃痛から始まり、心臓、嘔吐、下痢何ともつらくせっかくコックさんがロバに沢山の食糧を運んでくれて、日本人向けに作ってくれた食事ものどに通らなくなりました。”1,2日たてば治るわよ”と励ましの言葉をかけてもらってもつらくて・・・・・しかし夜の空は満点星☆カシオペア、北斗七星、天の川
7日目:ナンガパルバットの南面を堪能してからタルシンに下りアストール~またギルギットへ(ホテル泊)
8日目:ラカポシ(7788m)ベースキャンブ(2804m)へ 途中羊、牛、ヤギの放牧。
9日目:再び急登を抜け、ラカポシベースキャンプへ〔3400m)
〔奇蹟5〕こんなきれいな夕日はめったに見られないとのこと。 氷河から流れる灰色の流れのインダス河
10日目:終日ラカポシベースキャンプに滞在、わたくし以外はミナポン氷河を散策。ディラン、ラカポシの大展望!!!素晴らしい!!!!ここのBCでとれた水晶。日本に帰ってきてからペンダントを作ってくれました。一緒に行った仲間の清村様です!ところどころの山が爆破されております。宝石が取れるのです。ガーネットの原石もたくさん拾いました。資源がたくさんある国なのでしょう。開発が進んでいないのです。
清村様撮影 夕焼けのデュラン(7257m)ベースキャンプ3400mから なんと素晴らしい!!
11日目:ミナピン村までの下り!ロバに乗れません。大変急な坂道をロバに乗って下るのは、振り落とされそうで怖くて、怖くて・・・なだらかな道になるまで歩きました。西遊会社のバスでフンザの中心地カリマバードへ。王様の経営しているホテル泊:この地では最高のホテルのようですが・・・いろいろ不便な点が・・・地上に降りてきてからも高山病は治らず・・・食欲なし!
12日目:4:15モーニングコール 朝焼けのレディーフィンガー(とんがっている山) 右隣がウルタンⅠ峰その隣がウルタンⅡ峰(長谷川氏遭難) その後カリマバード市内観光:日本企業の寄付で出来た財団がありました。
Hasegawa Memorial School 長谷川恒男(1964-1991)パキスタン・ウルタルⅡ峰登山中雪崩で遭難。享年43歳。生前から「パキスタンのために」と言う遺志と、事故の捜査でお世話になった地元の方々の感謝のために、奥さんや友人が中心になってこの学校を設立。大学も作られる予定。3歳児から英語の勉強。今日は l(エル) lamp(ランプ)をノートに書いていました。共通語がウルドゥー語と英語です。校長室の前には長谷川恒男氏の遺影が飾られていました。子供たちの屈託のない、純粋な笑顔はどこでも見られ、この子たちのために何かできないかを考えさせられました。
アルティット城、バルティット城見学: 700年前にフンザ河の上に建てられたお城。今でもここに住んでいる人たち。フンザ王国の王様が40年前まで住んでいたそうです。またギルギットへ
13日目:専用車にてカラコルム・ハイウェイを南下、ベシャムへ
カラコルムハイウェイは中国の40%援助パキスタン60%の資金で1978年に完成。中国ウイグル自治区とパキスタンのギルギットカラコルム山脈を横断して南のカラチまで結ぶ道路です。途中海抜4693mのクンジユラブ峠を通り国境を横断する舗装道路としては世界一の高所を通る道路だそうです。また対岸には古代のシルクロードの道が延々と続いているのにはびっくり致しました。対岸と行き来するゴンドラがありました。"乗りたい!”、"ダメです!”でした。
パキスタンで有名な「デコトラ」、「デコバス」です。なんとすごいデコレーション!どのトラックも派手な飾りつけでびっくりです。車の乗車人数制限は無!何人乗ってもOK.軽自動車に15人!
ハミウリとバナナは大変おいしかったです。
カラコルムハイウェイにはこのようにたくさんの露天商がお店を出しています。よく見てください。女性は一人もいないのです。男性ばかりです。女性は高い山の頂きにおり、家の周りしか出ないそうです。ガイドさんは”かわいそう!”と言っておりましたが、外の世界を全く知らなくて一生そこで生きていくのであれば”かわいそう”なのではないかと思いました。2000mくらいの山腹でどういう生活をしているのかわかりませんが、少なくとも子供たちは学校に行っていないと思います。パキスタン全体の識字率は54%だそうです。近代国家になるためにはあと200年前くらいかかるのでは???と思いました。
チラスにある5世紀ころに描かれたの岩絵です。お釈迦様、蓮の葉っぱ人間、動物・・・仏教徒がガンダーラを目指した旅の途中で描かれたそうです。古い貴重な歴史の痕跡が今でも残されています。 14日目:この後ベシャムで1泊。その他・・・山の見納め→ イスラマバードへ→ 成田へ
〔奇蹟6〕すべての行程が快晴!でした。ナンガパルバットの北面、南面、東面、西面全部見れたことは〔奇蹟〕とガイドさんは何度も、何度も言っておりました。初めてのパキスタンの山々、文化人々の暮らし、歴史色々学べた貴重な旅でした。今度またフンザの学校に行って日本のことを教える機会を作りたいと思っております。現地ガイドのAliさんは言っていました。”教育がこの国を変える大きな要素です”と。”教育”は国を作る原点と思います。私たちも世界に飛び立つ子供たちを育てて、世界に何か貢献のできる子供たちを育てていきたいと思います。
〔パキスタンについて〕
パキスタンの国旗: 白は他宗教、緑はイスラム教、星は知脳、月は発展
人口:193.56(100万)国土:日本の2倍 識字率:54%
車:90%日本車 国費:70%が軍事費
宗教:イスラム教 77の宗派に分かれている。スンニ派、シーア派・・・・(宗派同士の争い、風習の違い解決策はあるのかしら???)
清村様撮影 高山植物の数々